度々申し上げました通り、私たち東海地方は真砂土地帯で肥沃な土壌とは言い難い地域です。
しかし、各地で色々な作物の産地があり、風土や気候にあった作物が栽培されています。その中で作物栽培に適した“土”とは何だろうか?というところから始まり、なんで黒い土がいいのだろうか?そもそもなんで土は黒くなるのだろうか?という疑問から答えを探るべく、各地の土壌や日本の地質や成り立ちを通して、様々なことが分かってきました。
黒土と言いましても、関東ローム層の黒土と、この東海地方の黒土とでは性質は異なるものであること。また、栽培をする上で、固さや通気性等の物理性やpHや塩基分の化学性といった項目もより大事であること。それらを考慮しても、この東海地方は地力としては乏しい地域でありました。
そこで、今度はどうにかしてこの地方の土を、もっと良く出来ないかという思いに変わっていきました。土を入れ替えることが出来れば遥かに良いのですが、それは費用もかかりますし手間もかかります。どうにかして、安価に楽に土を肥沃に出来ないものかと日々取り組んで参りました。土というものは非常に奥が深く、考え方や取り組み方も様々であると思いますが、どうか多くの方の一助となれば幸いと思っております。
また、日本各地には、様々な土の産地がありますが、流通の発達した現在であっても、土は重量物であるため運送費の占める割合が大きく、産地から離れれば離れるほど流通コストがかさみます。
私たちは、愛知県で産出される土を用い、他の産地とは異なる、この地方唯一の土を“安価に”提供出来る様に長年努めて参りました。土を通して、地産地消やブランド化にある通り、その土地ならではの気候、風土、土壌で作られる高品質な作物の生産に少しでも携わることが出来ればと、この愛知県から明日の農業生産に貢献していきたいと思っております。
株式会社豊田グリーンソイル 天野堅次
土壌医検定3級/造園土木施工2級