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籾殻燻炭が土壌改良において一番効果が高いのかな!?

籾殻燻炭と土壌改良の写真

籾殻燻炭(もみがらクンタン)について今回は触れていきましょう。

 

前回より、もみがらは生のもみ殻と、それを堆積して切り返しを行った籾殻堆肥とありましたね。

 

籾殻燻炭は、もみがらをいぶし焼にし、炭化させたものです。

 良く、秋から冬の間の、稲刈りが終わった田んぼの周りでもみ殻の山から煙が出ている光景を見たことはありませんか?

 夏場なら、刈った草を焼いているのかもしれませんが、草の生えない冬の時期に田んぼから煙がモクモクと出ていたら、籾殻燻炭を作っているのかもしれません。

 

籾殻燻炭の特徴は、大きく5つあります。

 

  1. 保水性/通気性の改善
  2. 微生物相の活性化
  3. 炭の効果で浄化作用
  4. アルカリ性なので、pH矯正の効果がある
  5. 地熱を上げる。保温効果。

 

 つ目の効果とし、籾殻燻炭は、炭状に炭化しているので多孔質といって、無数の微細な穴を持つ構造をしています。良く炭なんかに言われる構造ですね。無数の孔隙をもった粒が集まってさらに大きな塊を形成しています。ちょうど前にやったミクロ団粒やマクロ団粒みたいなものですね。

 

 この隙間に水を貯えることができるので保水力が上がります。また隙間には、空気も入ることが出来るので通気性も改善されます。また、生のもみ殻同様、土の粒と粒の間に入って隙間を作ることからも排水性を改善します。生のもみ殻はもみ殻自体が水分を吸収し、もみ殻が土と混ざり隙間を作ることで通気性や排水性を改善していますが、籾殻燻炭は、多孔質状の微細な空隙を含むので、もみ殻以上に高い保水性や通気性を発揮します。

 保水性が高いということは、水切れを起こしにくくなりますし、通気性が良いということは根腐れ対策に効果があります。

 

 以上の様に、籾殻燻炭は、土壌物理性を改善する効果が高くあります。また、籾殻燻炭自体が軽いので、土をやわらかくふかふかに近づける効果があります。

 

 

 ②の微生物相の活性化では、これも籾殻燻炭のもつ多孔質が関係します。籾殻燻炭の微細な孔隙には、たくさんの土壌微生物が棲息することが出来ます。土壌微生物が多いと、有機物を分解し腐植の生成を促すことが出来るのでしたね。また、病害虫の蔓延を妨げられる益虫も棲息することが出来、土壌微生物が多く存在することはそれだけでメリットになります。

 

 

③は2でも触れましたが、炭は多孔質なので、脱臭作用や浄化作用があります。ガスや匂いを吸着してくれたり、汚れた水を浄化する作用があります。

 

④ これはその通り、炭はアルカリ資材なので酸性の土壌を石灰の様に改善してくれる効果があります。

 

⑤ これももみ殻と同様に保温効果があります。また籾殻燻炭は炭化していて黒いので太陽熱を吸収する力も高いので保温の効果も高いと言えます。

 

 

・籾殻燻炭の注意点

 アルカリ資材なので、撒きすぎに注意する。

 一度アルカリ性になった土壌を下げるのは簡単ではないので施用量を間違えないこと。

 

 

 以上の様に、籾殻燻炭は注意点も少なく、効果の高い土壌改良資材です。

が、デメリットは費用が少々高いこと。購入していると、土壌改良だけでかなりの費用がかかります。小さな畑ならいいですが、大規模に改良しようとするとコストがかかってしますことです。そこで自作すれば良いのですが、この自作もなかなか一気に量が出来るものではありません。簡単に大量に出来ればいいのですが、そう簡単にはいきませんね。

 

 また、籾殻燻炭と腐植資材と土壌改良の効果は良く似ていますが、その違いを説明すると籾殻燻炭には、保肥力を上げる効果はあまりありません。肥料分を蓄えておく能力ですね。

 土壌団粒の様に、腐植が生成されると保肥力も上がりますが、籾殻燻炭には吸着力を改善する効果はそれ自体には多くありません。保肥力を上げるには、粘土鉱物や堆肥等の資材の方が効果は高いと言えます。籾殻燻炭は、あくまで物理的な土壌改良の改善がメインです。しかし、微生物が増え土壌有機物が増えれば、腐植も増加するので、結果的に保肥力は上がることになるので、効果がないことはないと言えます。

 

あと、肥料分の供給効果もありません。腐植は微生物が分解した養分を蓄えたり放出したりしますが、籾殻燻炭自体には肥料成分は堆肥の様にはありません。

 

 

 以上、3回にわたって、もみ殻ともみ殻堆肥と籾殻燻炭と見てきました。

それぞれ特徴がありますが、簡単にまとめますと

  • 生のもみ殻は長期的には、粘土質の改善効果が認められるが、時間がかかる。ただ、その原料は安価である。

 

  • もみ殻堆肥は、堆肥化するのに1年以上と手間がかかり、もみ殻自体がC/N比が高い資材なので、あまり効率的ではないような気がします。ただ、原料は安価なので、自分で堆肥化して作って使ってみたいという人にはいいかもしれません。

 

  • 総合的に、一番効果の高いのは籾殻燻炭がやはり一番でしょう。しかし、これも堆肥程手間がかかるものではありませんが、炭化させるのに手間がかかります。炭化させるのに一日近くかかり出来る量も限られます。が、ご自分でこの作業が出来る方にとっては、良い改良剤になるでしょう。

 

以上でもみ殻の簡単な説明とさせていただきます。

豊田グリーンソイルでは、土壌改良や土づくりを応援します。

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コメント: 2
  • #1

    安藤春久 (火曜日, 23 3月 2021 08:31)

    私の家庭菜園ですが以前は田でしたので色々たい肥を入れたりしていますが雨が降り時間がたつとかたくなっしまい、また、排水も悪く改善したいと思いますが、御社のどの改良土またはもみ殻・もみ殻たい肥等何を入れたらよいでしょうか。
    場所は瀬戸市水北町ですが配達もお願いできるでしょうか。アドバイスをいただければありがたいのですが。

  • #2

    豊田グリーンソイル (土曜日, 05 6月 2021 20:38)

    >安藤様

    返信が遅くなり申し訳ありません。このブログの返信がうまく出来ずに遅くなってしまいました。
    土壌改良はいろんな資材を少しずつ気長に入れていくのがよろしいかと思います。
    瀬戸市へは配達も可能ですので、もしまだご検討の際には、お問い合わせからご相談くだされば幸いです。