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腐植の説明③ 腐植の生成スピードはわずか3日!?

腐植が生成されるスピードは?

 

 ある腐植の生成される日数を計測した実験では、驚くべき結果が出ました。

なんと、腐植はわずか3日目から生成が確認できたとされています。

 

 また腐植の種類として、腐植酸の方がフルボ酸よりも数多く生成することがわかりました。

このことから、腐植酸は植物遺体の分解で生成し、その量は時間とともに増加し蓄積していくようです。

それに対し、フルボ酸の量は対して変化がなかったようです。

(腐植酸、フルボ酸については前回を参考に)

 

 以上の様に、微生物による植物遺体の分解の過程で腐植の生成が速やかに起こりその成分も時間とともに変化していきます。なお、生成した腐植の一部はさらに微生物によって分解を受けますが、残りの部分は、鉱物粒子と有機・無機複合体を形成して、比較的安定な状態で存在すると考えられています。有機無機複合体は、腐植や微生物代謝産物や有機物とシルト粒子や粘土粒子と結合した状態でしたね。これらが合わさって、ミクロ団粒、マクロ団粒となっていくのでしたね。(過去参照)

 

 前回の腐植の説明2の内容も踏まえ

 まとめると

 

  • 有機物は土壌に入るとすぐに、微生物などによって分解される
  • 分解後、わずか3日で腐植は生成し始め、徐々に腐植酸が蓄積されていく
  • 腐植には、微生物によって簡単に分解される成分とリグニンなどの難分解性の成分が合わさって腐植が形成されている

 

 土づくりって、時間がかかるから腐植も生成するのに、てっきりとても長い時間がかかると思ってましたけど、違うんですね。わずか3日とは驚きです。

 当然腐植がたくさん生成されるのは1か月くらいかかるので、堆肥等を投入して1月寝かせるといいとか、土とよく馴染むと言われてますけど、腐植の生成の面から見ても、やはりそういうことだったんですね。

 やはり、土壌改良には腐植を生成出来る有効なものを、適切な量投入するのがいいのですね。

 

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